小山のきそば号を知っているだろうか?
今はもう無い、かつて小山駅ホームにあった「小山駅きそば」を再現したキッチンカーだ。
新海誠ワールドの原点と呼び声の高いアニメ映画「秒速5センチメートル」にも登場するあの駅そばだ。
全世界から絶賛される不朽の名作に登場する聖地のひとつ。
今回小山のきそば号のホームである「キッチンCIRCUS駐車場」にてランチ営業が行われるというのを知り、さっそく行ってみることにした。
小山のきそば号 キッチンCIRCUS駐車場
今回訪問したのは栃木県小山市、JR小山駅西口から車で10分にあるキッチンCIRCUS駐車場。
常設スポットとして不定期でランチ営業される小山のきそば号 キッチンCIRCUS駐車場店(駅と表現した方がいいか?)。

小山のきそば号は、小山市にある「株式会社アド・プロモート」が展開する「キッチンCIRCUS」ブランドのキッチンカー。
かつて小山駅の宇都宮線ホームにあった「小山駅きそば」、あの新海誠監督の原点と呼び声の高いアニメーション映画「秒速5センチメートル」の舞台となった聖地としても有名(※作品に登場したのは両毛線ホームにあった小山駅きそば)で、今年10月より実写映画の公開がスタートしたことで再び注目を浴びている。
そんな駅そば店の味を再現した。
「小山駅きそば」が惜しまれつつ閉店したのが2022年1月14日のこと、閉店からわずか2週間後(2022年1月30日)にきそばイズムを継承するキッチンカーとして誕生したのが小山のきそば号。
もちろん小山駅きそばを運営していた栃木市のながさわ製麺公認。
同製麺所謹製の蕎麦やスープなどを使用した、当時とまったく同じものが味わえるのも注目ポイントだ。

実はこのキッチンカー、小山駅きそばが閉店するから始めたわけではない。
きそばのキッチンカープロジェトが始動している最中の突然の閉店告知だったそう。
まさに偶然が重なり、閉店後も「きそば」の火が絶やされることなく今へと至ったわけだ。
シルバーベースにオレンジとグリーンのラインが宇都宮線の列車を彷彿させる。
購入時に切符風のチケットを渡されるサービス(平日はやっていない)を行っていることもあり、コレクター魂をくすぐることからきそば号の追っかけをしていたファンもいるほど。


小山のきそば号 キッチンCIRCUS駐車場は、不定期で営業される常設スポット。

いずれはバスの隣にあるユニットハウスを店舗として運用することも考えているそうなので、キッチンカーを追いかけることなく気軽に食べたい時に食べに行けるようになるかもしれない。
駐車場
道沿いにある幟、キッチンCIRCUSの看板が目印。

駐車場には最大で6台まで駐車可能。

小山のきそば号 キッチンCIRCUS駐車場のイートインスペース
駅そばといえば立ち食い、キッチンカーの運転席側の側面には立ち食いカウンターテーブルが設置されている。
まるでホームで駅そばを食べているような気分に浸れる。
さらにキッチンCIRCUS駐車場には、バス「通称せバスちゃん」を利用したイートインスペースも常設されている。

路線バスも思わぬ形で現役復帰できて喜んでいることだろう。

中にはテーブルが設置され、バスの座席に座りながら食事ができる。

バスの乗車口横には分別ゴミ箱やどんぶり返却BOXが設置されている。

キッチンカーにはセルフの給水ポット、揚げ玉、七味唐辛子なども用意されているので、必要な人は商品受け取り時に利用しよう。

小山のきそば号のメニュー


メニュー一覧(一部抜粋)
メインメニュー
- 天ぷらそばorうどん 700円
- かけそばorうどん 500円
- 月見そばorうどん 570円
- きつねそばorうどん 600円
- 山菜そばorうどん 600円
- コロッケそばorうどん 630円
- 新生姜そばorうどん 600円
平日限定
- それゆけ!ヨシざらしセット(そばorうどん) 650円
完全予約制
MEGAビッグバン(完食証付) 3,000円
トッピング
- 天ぷら 200円
- 生たまご 70円
- 野菜コロッケ 130円
- きつね 100円
- 山菜 100円
- 岩下の新生姜 100円
- しいたけスライス 100円
- わかめ 50円
- 海老天(限定10本) 250円
- 大盛(麺2倍) +200円
- 替え玉 +250円
ドリンク類
- 駅弁のお茶 150円
- ゆずサイダー 300円
※麺が伸びてしまうためテイクアウト不可
※税込
小山のきそば号のルール・利用方法

利用方法
- キッチンカー右手の受付口で注文と支払いを済ませる
- 左手の受け取り口で商品を受け取り、備え付けの箸や調味料などでお好みのカスタマイズをする
- キッチンカー反対側のカウンターで立ち食いorイートインバスで座ってゆっくり食事を楽しむ
- バス乗車口横にあるゴミ箱に分別してゴミを捨てる
どんぶりを利用した場合は、どんぶり返却BOXに戻す
記事内に掲載の全ての情報は訪問時点のものです。
最新の情報を保証するものではありません。
小山のきそば号で伝説の「きそば」を堪能する
訪問したのはランチ営業2DAYの初日、2025年12月2日の11時ごろ。
早る気持ちが抑えきれず、オープン前に到着してしまった。
オープンと同時に注文と支払いを済ませ、キッチンから薫る香ばしい出汁のかおりに食欲を刺激され待つこと1分少々。
きそばの麺の茹でるタイム。
大体ハーフミニッツ。
天ぷらそば+わかめ・岩下の新生姜トッピング
今回チョイスしたのは、天ぷらそば。
追加でわかめと岩下の新生姜をトッピング。

バスの中で食事という、この非日常感も楽しいじゃないか。

たっぷりの刻みネギ、大ぶりなかき揚げ天ぷら、岩下の新生姜スライス、たっぷりわかめちゃん。
蕎麦が見えないほどのボリューム満点なトッピングだ。


まずはつゆをひと啜り。
奥に甘みを感じる芳ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
特徴的な黒い色味、醤油のコクと程よい塩味にさば・イワシの削り節の出汁感しっかり感じる味わいで、香ばしく甘い余韻が後を引く。
蕎麦を啜れば芳醇な香りが広がる。
柔らかめの程よいコシ感で、つるりと喉越し感心地よく箸がとまらない。

駅そば特有の列車が到着する数分で一気に啜る、そんな食べ方に最適化された口当たりだ。
ちなみに
きそばの蕎麦は「ゆでそば」を使用していて、あらかじめ茹でてあるので30秒ほど湯がくだけで済む。
それが時間に追われる駅ホームでの迅速な提供を可能とする秘訣であり、それゆえに一般的な日本蕎麦にはない優しい風味と食感がある。
つゆの絡みよく、啜るたびにその旨みをしっかり感じ取れる。
わかめと食べれば、プルンとした食感面白い。

シャキシャキとして程よい辛味のある刻みネギも良い仕事している。
つゆと合わさることで化学変化を起こし、ネギすらもメイントッピング級に旨くなる。
かき揚げ天ぷらはサクサクかスープグタグタのトロトロか論争あるが、別にどっちがベストなんて決める必要はない。
そんなんどっちも楽しめばいいんだ。

序盤は天ぷらのサクサク感と蕎麦の喉越し感との対比やすっきりとしたつゆを楽しみ、中盤はサクとろ混在のハイブリットな食感のアクセントを楽しむ。
そして最後にはつゆとの一体感あるとろとろな食感とつゆの奥深い味わいを楽しむ。
そして岩下の新生姜。

新生姜の酸味とビリっとした辛味がさっぱりとした味わい。
つゆを吸った新生姜もまた最高のおかずだ。
ヤミツキになる味わいに、完飲完食ごちそうさま。
酒が欲しくなるグルメ満載!!吉田屋も特別営業
吉田屋はキッチンCIRCUSの3台のキッチンカーのひとつ。
吉田社長が豪快かつ太っばらなメニューを提供する自らの名を冠するキッチンカー。

黒い車体がラグジュアリー感ある。
キッチン内はシンプルだけど。

吉田屋のメニュー

※メニューは出店場所により異なる
注文方法
- きそば号で注文・支払いを済ませる
- 吉田屋で商品を受けとる
きそばのつゆでたべるシウマイがバチクソ旨い
これが本日の限定の一品「シウマイ」。

シウマイ2個、おまけでもらったきそばのつゆ付き。
シウマイにきそばのつゆをかけて食べると旨いそうだ。
さっそく試してみよう。

せいろ蒸しされたシウマイはしっとりふっくらでねっとり濃密な口当たり。
きそばのつゆの出汁感と香ばしさ、甘みが肉の旨みを引き立てる。

断面をつゆに浸してダクダクにすると最高だ。
こういうのでいいんだよ、ベーコン串
もう食べる前から正解という言葉が頭をよぎる。

肉厚で熱感じる口当たり、弾力のある噛み応えは肉感MAX。

ジューシーで芳ばしく、しっかりめの塩気に無性に大人の炭酸飲料が欲しくなってくる味だ。
最後に

キッチンCIRCUS駐車場でランチ営業していた小山のきそば号に行ってみた。
甘辛で出汁きいた芳ばしいつゆ、喉越しよくスルスルと啜れる蕎麦。
何度食べても飽きないこの味。
小山駅ホームで食べたあの味を思い出す。
小山のきそば号、もしかしたらあなたの家の近所にも出店してるかも?

