福井県福井市片町にある寿司政。
地元に愛される庶民派のお寿司屋さん。
地元の海鮮食材をふんだんに使用した一品ものから、ここでしか味わえない旬のにぎりなども味わうことができる。
にぎりは表札やホワイトボードに記入された品をざっと数えただけでも40種類は超える。
今回はそんな寿司政に行ってみた。
目次(タップできる)
寿司政
今回訪問したのは福井県福井市、福井鉄道福武線 福井城址大名町駅より徒歩1分にある寿司政。
福井市の繁華街の一角に店を構える、昭和を感じさせる年季の入ったこじんまりとした寿司店。
日本海に面する北陸ならではの海の幸を活かした一品ものや絶品にぎりが味わえる。
一見するとこの手のお店は常連さんばかりで観光客など一見さんには居心地が悪そうなイメージだが、このお店に限ってはそんなことは一切ない。
狭い店舗ならではの大将とお客の距離が近く、気さくな人柄と気配りから居心地が良い。
お店は大将と若い女性店員さんの2名で切り盛りしている。
手際よくつまみが提供され、満遍なく注文が行き渡るように気配りをしているのがよくわかる。
注文の品を提供するさいにも、忙しいなかでもしっかりと丁寧に説明をしてくれる。
程よいタイミングで追加がないかを聞いてくれるのもありがたい。
常連も多いようで、他のお客にも気さくに話しかけ盛り上がっている。
寿司政の店内
お客が座ると席の後ろを通るのがやっとなくらいの狭い店内。
L字のカウンター席が10席だけ。
カウンターの前のネタケースには新鮮な海鮮食材が豊富に並び、福井ならではの食材なども揃う。
席には小皿と醤油が用意されている。
寿司政のメニュー
北陸の地酒も揃っており、どれがいいか悩んだら大将が詳細を説明してくれるので安心だ。
寿司政行ってみた
訪問したのは2024年4月26日18時ごろ。
一週間ほど前にあらかじめ席だけ予約しての訪問だ。
先客は常連と思われるおばちゃん1名、後客は続々とやってきて1時間も経つ頃には店内満席状態。
諦めて帰る客数知れず。
とりあえず生ビール(小)とガリで場を繋ぐ。
辛味がきいたさっばりとした味わいで、ほんのり甘みきいたガリ。
これがちょっとしたつまみにも、箸休めにもちょうどいい。
汐ウニ
福井の名物郷土料理の汐ウニ。
日本三大珍味のひとつで、別名越前雲丹と呼ばれ江戸時代には越前国の海岸一帯の特産品として珍重されていた。
保存食として作られたのが始まりで、バウンウニの卵巣を塩漬けし水分を抜いて熟成させたもの。
ねっとりとした口当たりで、濃縮されたウニのコクと旨みを感じる。
塩味が濃いので、それこそ爪楊枝の先端でちょっとだけ取って舐める程度で十分つまみとしていける。
大将曰く、これで30回はいけるそう。
水タコ
北陸以北の海に生息する水タコ。
福井の海の幸を味わうならば外せない一品。
福井県には国内初の水タコとふれあえる施設のある越前松島水族館も話題。
水タコの頭と吸盤、足の刺身を、わさびや酢味噌をつけて味わう。
まずは頭をわさび醤油で。
プリっもちっ、プルンとした口当たりで、噛むほどに旨みが広がる。
旨み濃厚で甘みがある。
吸盤は酢味噌で食べてみよう。
コリコリとした食感で、酢味噌の酸味がいいアクセントにきいている。
足はわさび醤油で。
トロトロのプルンとした口当たり。
瑞々しくて想像していた以上に柔らかい。
個人的には吸盤は酢味噌、他はわさび醤油がおすすめだ。
へしこ
福井の名物郷土料理へしこ。
鯖など青魚の身を塩漬けにし、米糖に1年以上漬け込み熟成させた保存食として昔から重宝された伝統料理。
ホロホロとほぐれる口当たりで、鯖の旨みが濃縮していて塩味もきいているので無性にご飯が欲しくなる。
一本義 春之純米酒アラバシリ
美味しいつまみに合わせるのは、福井の一本義久保本店の春之純米酒アラバシリ。
ロックでいただく。
奥越前育ちの酒米「越の雫」を使用したお酒で、搾りたてそのままを瓶詰めした一品。
口に含むと甘くフルーティーな香りが鼻腔を抜け、キレのある辛さのあとに濃厚な旨みと甘い余韻を感じる。
ロックでいただくとまろやかな味わいで、辛口なお酒でも甘みが引き立ち飲みやすい。
鯖と鯵の刺身
北陸の魚を刺身でいただこう。
福井で今の時期が旬の鯖の刺身(左)と鯵(右)の刺身。
まずは鯖からわさび醤油でいただく。
脂がのっていてプリプリとした食感。
鯖特有のクセがまたいい。
鯵はおろし生姜を添えて。
脂がのっていてトロリとした口当たりで、生姜の風味がいいアクセントにきいていてあっさりとした後味だ。
トロ
寿司政といえばトロもおすすめの一品。
照り感ハンパなく、見るからに脂がのっていそう。
わさびをたっぷりとのせていただくのがおすすめだそう。
濃厚で脂がのっていて、口に含むとまるでトロリと溶けるような口当たり。
脂と旨みがあまりに濃厚なので、わさびたっぷりでも全然ツンと来ない。
わさびの風味で脂の甘みを感じるほど。
カニグラタン
これも寿司政にきたら外せない一品のカニグラタン。
香ばしい香りに食欲がそそられる。
クリーミーな口当たりで濃厚なカニの旨み感じる。
カニの卵のプチプチとした食感のアクセントも心地よい。
蟹肉もしっかり入って食べ応えもあり、甘い余韻が後を引き無限に食える。
地元の夜のお仕事の女性がいくつも食べたという口コミを見たが、なるほどそうしたくなるのも納得。
これに合わせるのは生ビール。
やはりビールは生に限る。
今はほとんどが熱処理しない生ビールなので大まかな味の違いはないかもしれないけれど、このきめ細やかな泡は瓶ビールから注いだら再現不可能。
タケノコ刺身
ここら辺で山の幸もいただこう。
タケノコの刺身を食べてみた。
刺身のようにスライスされたダケノコに鰹節がふられたもの。
サクサクした心地よい食感と瑞々しさがある。
わさび醤油をつけて食べるとツンとしたわさびの刺激がきわだち、おろし生姜を加えた醤油で味わうとタケノコの甘みが引き立つ。
抹茶巻
これも寿司政の名物、抹茶巻。
抹茶とはいっても本当に抹茶が巻かれているのではなく、たっぷりのわさびを加えたトロの鉄火巻き。
まず酢飯が旨く、程よい甘みがたまらない。
トロに脂がのっていて旨み濃厚なので、わさびたっぷりでも驚くほどツンと来ない。
濃厚トロリとしたトロの旨みに、海苔の磯感も相まって抜群に旨い。
これも必食といって間違いない。
シロエビ軍艦とアジの握り
〆はシロエビの軍艦とアジの握り。
シロエビの軍艦はわさび醤油をちょっとたらして。
シロエビはトロリ濃厚な口当たりで甘みが強い。
大葉の風味のアクセントも絶妙で、酢飯も旨いがこの海苔がそもそも旨い。
旨い×旨い×旨い=めちゅめちゃ旨いの法則発動。
アジの握りはおろし生姜が添えられている。
脂が乗っていて、特有のクセもなく旨い。
生姜の風味がよいアクセントにきいている。
まだまだオムレツとか色々気になるメニューはあるが、タイムリミットの90分も近いし財布のリミット(本日の会計8,000円)も近いので撤収。
最後に
福井県福井にある人気店 寿司政に行ってみた。
地元に新鮮食材を使った一品ものやにぎりなどどれも絶品。
地酒のアテにも最高だ。
観光のさいに訪問するならば、あらかじめ数日前に予約をしてから訪問がおすすめだ。
何せ狭い店内、混雑時には時間制になるとはいえ満席はざら。
ちなみに予約時には「盛り合わせ」をおすすめされるので、色々と食べてみたいけどよくわからないという時にお願いしておくといいかもしれない。
何せ混んでいるので、都度注文はしづらいと感じる人には最適だ。
一見して常連さんばかりの初見では入りづらい雰囲気に感じるかもしれないが、入ってみるとそんなことは一切なく非常に居心地が良い。
訪問時も常連のおばちゃんが気さくに周りの人に話しかけていたので、楽しく過ごすことができる。
福井の夜に是非おすすめしたいお店。