埼玉県熊谷市にある元祖田舎っぺうどん本店。
武蔵野うどん発祥の店とされ、ゴリゴリとコシの強いうどんを汁につけながら食べるつけ麺スタイルが有名だ。
出汁のきいた甘辛な肉汁にうどんをつけていただく、そんな一杯が人気。
今回はそんな元祖田舎っぺうどん本店に行ってみた。
目次(タップできる)
元祖田舎っぺうどん 本店
今回訪問したのは埼玉県熊谷市、秩父鉄道石原駅より車で10分、国道407号線沿いにある元祖田舎っぺうどん本店。
田舎っぺうどんは1973年4月に熊谷市にて夫婦で営む小さな手ぶちめんこ(埼玉県北部地域の方言で手打ち麺を意味する)のお店として創業。
その後3系統に分かれ、現在では創業者である横瀬氏の息子さん(弟)の営む熊谷店系と息子さん(兄)の営む北本店系の2つが存在する。
埼玉県に4店舗を展開する武蔵野うどんの専門店だ。
武蔵野うどん発祥のお店で、太くてコシの強い麺に汁をつけて味わう特徴的な一杯が味わえる。
武蔵野うどんとは
埼玉県は日本有数のうどん県。
埼玉県西部から東京都区分や多摩地区を含むエリアは武蔵野台地に位置し、表土の下を厚い砂礫層が占めるため乏水性な土地柄から米作に適さなかったため麦作が盛んに行われていた地域。
国産小麦の普及に尽力した、麦翁の異名を持つ権田愛三(1850年〜1928年)の生まれ故郷である熊谷では特に麦作りとうどん文化が広く普及した。
そのため小麦粉を使用するうどんが郷土料理として親しまれていた。
武蔵野うどんの名は、武蔵野うどんの普及に尽力した東京小平市出身の加藤有次教授が命名したとされる。
武蔵野うどんといえば出汁のきいた醤油ベースの汁がメジャーだが、熊谷店系では塩汁が人気。
駐車場
駐車場は広い敷地内に20台ほど駐車可能。
出入り口は西側407号線沿いと東側、南側にそれぞれ1箇所ずつあり。
元祖田舎っぺうどん 本店の店内
広い店内、中央にある厨房ではうどんの仕込みを数人の店員さんが行っている。
右手窓際の小上がりには6人掛けの座卓が5卓。
厨房を囲むように3方にカウンター席が多数、レジ裏側は厨房内(本来は厨房内と思われるスペース)かと思いきやカウンター席とテーブル席が設置されているというちょっと珍しい配置だ。
レジ横に段差があるので奥の席に行く時は気をつけよう
正面奥にレジカウンターがあり、その横には電子レンジが設置されていてつけ汁の温め直しができる。
お持ち帰り用のきんぴらや胡椒、唐辛子、うどんも販売されていた。
卓上調味料はすりごま、胡椒、唐辛子。
元祖田舎っぺうどん 本店のメニュー
利用方法
- 空いている席に座る
- 口頭にて注文
- 食後は入り口から正面奥側にあるレジで精算撤収
元祖田舎っぺうどん 本店行ってみた
訪問したのは2024年8月8日10時のオープン即入店。
まだ10時ながら後客多数で、あっという間に店内たくさんのお客で賑わう。
さっそく席にて口頭注文を済ませ待つこと10分程度。
冷し塩肉
今回チョイスしたのは、冷たいつけ汁メニューから冷し塩肉の大盛。
武蔵野うどん特有の極太なビジュアルのうどん大盛り。
冷し塩肉つけ汁に薬味はネギとおろししょうが。
強烈なコシだからこそなせる、この太さでありながらエッジがしっかり立っている。
つけ汁は田舎っぺオリジナルの塩味で、具材は豚バラ肉、じゃこキャベツ、油揚げ。
さっそくつけ汁に浸して食べてみよう。
打ち立ての麺を茹で、冷水で〆たものを提供。
いわゆる「湯だめうどん」スタイルというやつか。
極太かつロングスタイルで食べ応えがある。
ゴリゴリの強コシ感に自然と咀嚼回数も増え、香りや甘みといった小麦の風味をダイレクトに感じることができる。
つるりとした喉越し感も心地よい。
そしてこのキンキンに冷えたつけ汁が秀逸だ。
濃厚な出汁きいた汁に絶妙な塩気が旨みを引き立て、存在感強い麺との絶妙な一体感をかもしだす。
冷えることでより一層塩気がきわだつ。
具材の豚肉から溶け出す旨み、じゃこの旨みがつけ汁の旨みのポテンシャルを引き上げ、そこにネギの香ばしさが良いアクセントにきいている。
キャベツのシャキシャキとした食感と甘みも名脇役。
豚肉も柔らかジューシーでありながらクドく感じさせないのもまたいい。
油揚げも良い仕事している。
おろし生姜を溶かすと、つけ汁のコクが増し、さらに肉の旨みもきわだってくる。
同時に肉をあっさりとした口当たりに変化させてくれるので、後半以降も飽きることなく美味しいを持続させてくれる。
今度は味変に追い一味を加えてみよう。
芳醇な香りが鼻腔を抜け、ピリッとした辛味が口腔内に広がる。
多めに加えたけど正解、この辛味が旨みのギアをもう一段上げてくる。
そして〆は蕎麦湯ならぬ釜湯(うどんの茹で汁)でスープを割っていただこう。
塩味があっさり、出汁の旨みもしっかり感じられる。
蕎麦湯のように栄養満点とはいかないけれども、〆につけ汁を美味しく味わうことができるのでアリだ。
きんぴらごぼう
名物のきんぴらごぼうも注文してみた。
極太なごぼうが食べ応え満点。
ザクザクとしたごぼうの食感心地よく、ニンジンは柔サクで甘みを感じる。
唐辛子の辛味がしっかりきいたピリ辛な味わいがあとを引く。
食べきれなかったらどうしようと「大盛り」にしたけど、これなら「特大」でも全然余裕でいけたかもしれない。
まだ食べたいなと思いはしたけれど、これにてごちそうさま。
最後に
埼玉県熊谷市にある元祖田舎っぺ本店に行ってみた。
夏真っ盛りで暑かったので、今回は冷し塩肉を食べてみた。
ゴリゴリのうどんが食べ応えあり、塩気きいた出汁の旨み満点のつけ汁が秀逸。
具材の豚肉も良い仕事している。
武蔵野うどん発祥のお店、もし近くを通ったさいには是非一度立ち寄ってみてほしい。